天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

春分(3)

円覚寺にて

 暦で四番目の節気。周知のように太陽が春分点に達して昼夜の時間が等しくなる。3月21日頃に当たる。彼岸中日、春分の日として祝日。


     春分のおどけ雀と目覚めけり    星野麦丘人
     春分や手を吸ひにくる鯉の口    宇佐美魚目
     正午さす春分の日の花時計    松岡ひでたか


  木琴の音ひびかせて春分の路地きらきらし木の芽のひかり
                     坪野哲久
  春分の日のねむごろにあたたかき光をあびて木草そよげり
                     石黒清介
  みちのくの彼岸中日昼たけて親のなき子と道につれだつ
                     岡野弘彦