天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

青葉の鎌倉

鎌倉浄明寺町にて

 鎌倉の浄明寺を訪ねた。浄明寺は地名。ここで浄妙寺、旧華頂宮邸、報国寺、杉本寺をめぐった。帰りには鎌倉宮に寄りバスで鎌倉駅へ、というルートをとった。蒸し暑い日であったが、青葉若葉のおかげで気分的には、暑さをしのげた。それにしても主婦グループの見学者が多いのに驚いた。また小中学生の遠足か見学授業かわからないが五、六人ごとに歩いているのに出会う。なにせにぎやかなのに閉口する。


     花塚に活けて真白き百合の花
     うつ向きて花蕊隠す夏蝋梅
     砂庭を大海として涼みをり
     鎌倉や谷戸の青葉の迫りくる
     白き薔薇旧宮邸にひと気無く
     本堂に足投げ出して涼みけり
     大鐘の静まる谷戸の若葉風
     竹林の涼しさに飲む抹茶かな
     土牢に風をよこすや楠若葉


  観世音菩薩の御手にすがらむと御手綱を引く杉本寺に
  御手綱を少しひつぱり覗きこむ明かり乏しき本堂の奥
  Hotel New KAMAKURA とある看板の古きホテルを燕訪ひ来る
  根方には毛深き皮を身にまとひま直に立てる今年竹かも