天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ロボット

テレビ映像から

 この言葉は、1920年チェコスロバキアの小説家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.』において初めて用いられた。語源はチェコ語で「賦役」(強制労働)を意味するrobotaとされている。 
 産業、医療などの分野で開発され使用されているが、現状は産業ロボットが全体の90%と圧倒的に多い。その定義は、日本工業規格によると、「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業をプログラムによって実行できる,産業に使用される機械。」と規定している。


  ロボットに脈とられつつ逝くならむ人に疲れし独りの果ては
                     村山美恵子
  スーパーのカートを押して同型の主婦ロボットと甘柿を買ふ
                      中川宏子
  ひとの気持の分かるロボット造るといふロボットの迷惑
  二の次として              中野昭子


  溶接のロボットひと日監視してもの言ふことも吾は忘るる
                      高橋俊之
  ロボットが溶接出来ぬひとところ息ととのへて吹管構ふ
                      高橋俊之
  真夜中の無人工場ロボットがロボットを作る音の不気味さ
                      大平勇次
  ロボット化されゆく人が製(つく)りたるロボットが民を
  支配し殺むる              山本 司