カヤツリグサ科の一年草で、日当りの好い草地に生える。茎を裂いて蚊帳の形を作って遊ぶ。近似種が多く、それらが混同されることも多い。
行き暮れて蚊帳釣草にほたるかな 支考
野に伏せば蚊屋つり草も頼むべし 一茶
かたくなに一人遊ぶ子蚊帳吊草 富安風生
淋しさの蚊帳吊草を割きにけり 富安風生
筆塚にかしづく如し蚊帳吊草 笠原古畦
島に来て蚊帳吊草の日暮かな 守山琴女
白露の朝朝しげきくさむらに蚊帳吊草の穂がすいと立つ
岡 麓
暑き日はこちたき草をいとほしみ蚊帳釣草を活けてみにけり
長塚 節
高麗(かうらい)の白き小瓶(こがめ)にカヤツリの若き幾もと
涼しく乱る 窪田章一郎