天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

窓(4)

北鎌倉明月院

 北鎌倉にある明月院本堂の円窓は印象深い。本堂の表には枯山水庭園、裏手には後庭園と二つの庭園がある。後庭園はハナショウブと紅葉の季節だけ特別公開される(別途庭園の拝観料が500円必要)。通常は非公開で円窓からしか見ることができない。本堂の円窓は悟りや真理、大宇宙などを円形で象徴したもので、「悟りの窓」と言われる。


  この窓の内にて死なむ 病室のなじみて白き何もなき壁
                     斎藤 史
  この窓になほ一年は勤むべし今宵は清き春の夕べの月
                     小暮政次
  まりあまりあ明日あめがふるどんなあめでも 窓に額を
  あてていようよ            加藤治郎


  世事一つやり終えしのち遠雷を聞くべく開く窓は北向き
                     市原志郎
  窓の外の手すりの鉄におとたてつあけがたちかき霰こまかに
                     山田富士郎
  ただ坐る他なき窓辺ひと等みな去りつ晩夏の光の中を
                     光栄尭夫