天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

虹(4)

滝壺の虹

 はっきりとした虹の主虹(または1次の虹)の外側に、副虹または2次の虹と呼ばれるうっすらとした虹が見られることがある。主虹は、赤が一番外側で紫が内側という構造をとるが、副虹は逆に、赤が内側、紫が外側となる。


  ぐいぐいと走れる虹をみつめゐし東窓は暮るる海の入日に
                       御供平佶
  眉あげてかの虹をみよつかのまの浄気折ふし記憶に顕たむ
                       尾崎左永子
  希望とは叶はぬことと思ひ来しを多摩丘陵に虹たつを見き
                       島田修二
  翔ぶことを忘れて人に馴らされし孔雀にうすき春の虹たつ
                       松坂 弘
  濡色の牧草畑またぎ立つ虹ふとぶとと今しばしあれ
                       石川不二子
  蛍田てふ駅に降りたち一分の間にみたざる虹とあひたり
                       小中英之
  虹をうしなひまた虹を得て曖昧のただみづいろの歳月である
                       萩原裕幸


注: 右上の画像は、「無料壁紙:虹を撮影した綺麗な写真画像まとめ(青空・大草原・滝)」http://switch-box.net/wallpaper-rainbows-photo.html から借用した。