天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

稲妻(4)

BS朝日の放映画像から

 世界には雷の三大多発地帯と呼ばれる地域がある。オーストラリア北部に位置するダーウィン中央アフリカ、アマゾン である。他にも、メキシコ湾沿岸部、南アメリカ、ヒマラヤ、東南アジア などあり、全世界で毎年約2,000人が落雷で死亡しているという。


  黒白(こくびやく)を問ふ鋭さにつかのまの稲妻われを
  あらはにしたる          蒔田さくら子


  雷はしり撃つごとくまた雷はしりからたちはいま総身の棘
                     雨宮雅子
  稲妻に白き壺あれば愕然とわれは目ざむる死に肖(に)たる室
                     浜田 到
  夜の森は夜の樹木に満ちたりと思ほえぬまで稲妻を吐く
                     岡井 隆
  いなびかりしきりに立ちて暮るる空超高層の輪郭妖し
                     青田伸夫
  飛ぶ稲妻乱れ鳴る雷ゆけゆけど水の壁立つ高速道路
                    佐佐木幸綱
  遠天に噴(ふ)ける稲妻あかあかとわれは怒りて野を走るなり
                    佐佐木幸綱
  北の窓ゆつらぬき降りし稲妻にみどり子はうかぶガーゼ
  をまとひ               小池 光