天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

月蝕(2)

NHKテレビのニュース画像から

 10月8日の夜7時前後に、この現象が起きた。残念ながらわが住む横浜市戸塚区の空は雲が覆っていて、観察できなかった。NHKテレビのニューで月蝕を見ることになった次第。


  大鱗の鯉月蝕のごと浸る雪の夜はなる半桶(はんぎり)の水
                     鷲尾酵一
  夏の鹽甘し わが目の日蝕といもうとの半身の月蝕
                     塚本邦雄
  かつて自在でありしこころを思うべし寒払暁の皆既月蝕
                    久々湊盈子
  たまはりしもののごとくに月蝕の終りて盈(み)ちしくれなゐ
  の闇                  篠 弘


  月蝕ののちの復円徐々にして待てば開花のごとし夜天に
                     安永蕗子
  光なき食尽の月さしあたり地球につづく陸として見ゆ
                     秋葉四郎