天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蜂の歌(2)

テレビ映像の画面から

 スズメバチは、俗にクマンバチと呼ばれ、日本の蜂類中最大である。体長はオスで25ミリ、メスで40ミリ といったところ。その巣の大きさは直径80センチにもなる。


  粗朶積める下の巣穴を出で入りて十一月の胡(すずめ)蜂元気
                   石川不二子
  黄色光の匂ひを放つ木犀がまひるすずめ蜂を育てゐる音
                   馬場あき子
  花のため野の鳥のため汲みておく水にいかめしき雀蜂きてゐる
                    藤井常世
  油蝉の身を啖ひゆく雀蜂固きところを噛む音ひびく
                    後藤直
  落葉の蔭にむくろと見えし蜂一つ日の差す方に歩み始めぬ
                   青木ゆかり
  枸杞(くこ)の花に群がり飛べる小さき蜂去れると見るやまた
  寄るもあり             神作光一


  女王蜂にかしづく蜂の生態をのみ込み早し日本の子どもら
                    若菜邦彦