天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

師走の里山―座間谷戸山公園―

座間谷戸山公園にて

 小田急線・座間駅から徒歩で十分ほどのところにある。いつものことだが、西入口の長屋門をくぐり湿生生態園の沼を覗き、水鳥の池の縁に出て池を眺める。今回は鴨の群を見るのみで他の鳥の姿はなかった。野鳥観察小屋に廻って見ても鳥は見なかった。森の学校、どんぐり小道、湧き水の谷、クヌギ・コナラ観察林、カエル沼などを巡りつつ、朝陽に透ける黄葉を仰ぎ見た。


     将棋うつクヌギ、コナラのもみぢかな
     紅葉狩クヌギ、コナラの森を行く


  遠慮なく優先席にわが坐る電車もバスも立つはあやふし
  昨夜飲みし日本酒あとのウィスキー体のキレのいまだ戻らぬ
  じゅくじゅくと梢に鳴くは四十雀座間谷戸山の師走さみしき
  黄葉のクヌギ、コナラを仰ぎ見る座間谷戸山の湧き水の音
  椎茸のほだ木になると書かれたりコナラ林のもみぢ陽に透く
  春くれば人と闘ふ 池沼に姿を見せぬアメリカザリガニ
  将棋うつ駒音ひびく 黄葉のくぬぎ林に男がふたり
  おほかたはマガモなりけり朝靄の座間谷戸山の水鳥の池
  水鳥の池をめぐりて仰ぎ見るクヌギ、コナラのもみぢ燦たり
  里山の師走訪ねて紅葉狩カエルの沼や水鳥の池
  谷戸山の沼地に敷ける木道を進めば聞こゆ湧き水の音
  そこここの店先に立ち客を呼ぶ今年師走のサンタクロース
  朝戸出は座間の谷戸山 午後二時を過ぎて帰宅と妻にメールす