天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

独楽(1)

東京おもちゃ美術館のHPから

 「こま」の語源は、「高麗」。古代には朝鮮を高麗と呼んでいた。高麗の舞楽に体を回転して舞うものがあり、その様子からきたという。ちなみに朝鮮語の熊は「コム」であり、狛犬は朝鮮の犬の意味。


  手すさびに老も子供の遊びわざ独楽をまはしてほかごころなし
                         岡 麓
  独楽二つ触れてかなしも地の上に廻り澄みつつ触れてかなしも
                        北原白秋
  今やまさに廻り澄まむとする独楽の声かなしもよ地(つち)に
  据わりて                  北原白秋


  独楽の精ほとほと尽きて現(うつつ)なく傾ぶきかかる揺れの
  かなしさ                  北原白秋


  眼を閉ぢて深きおもひにあるごとく寂寞(じやくまく)として
  独楽は澄めるかも              植松寿樹


  玲瓏と澄(すみ)のよろしも竹の独楽ほがらに音を鳴りいでにけり
                        植松寿樹