天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

人形(2)

からくり人形

 人形劇・人形芝居に用いられる人形には、人形の操作方法により、手遣い人形(パペット)、棒遣い人形、糸操り人形(マリオネット)の大きく分けて4種類がある。日本の伝統的な人形劇には文楽人形浄瑠璃)がある。他に映画(テレビ)人形劇もある。


  人形の悲しむさまを遣ふとき黒衣の人の喉仏うごく
                    江口百代
  うつせみの人形遣ひに手を曳かれお鶴は歩まむ百年
  のちも              森岡千賀子


  群盲とのみ言ひ切れぬデモの中に外相の人形焼きて
  叫べる               内田紀満


  阿新丸竹につかまり塀越ゆる人形かなし真野の館に
                    内田一枝
  母に抱かれたおぼえない手に人形はつぶれるばかり
  抱かれている            鳥海昭子


  人形にふとたましひの宿りたるごときめざめよ朝が
  来てをり             花山多佳子


  からくりの人形遣いに操られ夜更け疲れて人形のこころ
                   森岡美都子