天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ふくろう(2)

NHK BSテレビの放映画像から

 日本のフクロウ類では、大きな順にシマフクロウ(全長約71 cm)、ワシミミズクシロフクロウ(全長約58 cm)などとなる。目は人間の10-100倍ほどの感度があるという。目で遠近感をつかめる範囲は60-78度と広いが、視野は約110度と狭く、これを補うために首は上下左右約180度回り、真後ろを見ることができる。


  吾がペンに夫がインクを入れてゐる静かな夜よ梟が鳴く
                    河野愛子
  ごろすけほう心ほほけてごろすけほうしんじついとしい
  ごろすけほう            岡野弘彦


  ふくろふが鳴けば夜ふけを森の木はみな手となりて
  救ひ求むる             安田章生


  煌々と星宿移る森の夜に村棄つるなと梟鳴けり
                    前登志夫
  戀ほしめば古國(ふるくに)ありき萬緑のひかりを
  聚(あつ)めふくろふ睡る       前登志夫


  ことしまた梟啼きぬわたくしの生まれるまへの若葉の闇に
                    前登志夫
  薄暮あわあわ梟の目玉うるむとき幻を見る人を憎まん
                   佐佐木幸綱