天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ふくろう(3)

BBC地球伝説の放映画像から

 「ふくろう」の名の由来は、毛が膨れた鳥であることに由来する、鳴き声に由来する、昼隠居(ひるかくろふ)から転じたなどの説がある。異名として、不幸鳥、猫鳥、ごろすけ、ほろすけ、ほーほーどり、ぼんどりなどがある。古語で飯豊(いひとよ)と呼ばれていた。


  山に啼くふくろうの声街越えてこもる夜の湖(うみ)薄氷
  は寄る                武川忠一


  一羽のみ生きて哀しきふくろふの身の上問ふな木枯の森
                    馬場あき子
  梟の早啼き聞こゆ小夜更けて小雪なりける高窓の空
                    馬場あき子
  黒曜石のごとき瞳よ梟はなぜかわれより人らしく見ゆ
                    和田美代子
  梟のゴロスケはもう年老いて眠りの淵を飛ばずなりけり
                    武下奈々子
  まだ丘は樹木の奥に霧がある私はまれにふくろうとなる
                     三枝昂之
  泥よりもつめたくひくく眠らむに啼くふくろふがいつまでも
  啼く                 坂井修一