ふくろう(4)
風貌が人に親しまれて「森の物知り博士」、「森の哲学者」などと呼ばれたり、獲物を襲う時の行動から、「森の忍者」と呼ばれたりする。俳句では、ふくろう、みみづく は冬の季語。
夜の森にかそかに風の吹き来なりふくろふは眼をほそく
あけたり 来嶋靖夫
梟のいくたび来鳴く森ふかみ闇ふかみ父のいのち細りぬ
西村 尚
月あかき晩はふくろふのよき影を落して木の間に青葉
づくは啼くとふ 岩田 正
ひとの魂抜くごとき声に梟の啼く夜となりてしきりねむたし
木俣 修
いつしかにルドンの眼(まなこ)のぼりいて神宮の森に
ふくろうのなく 加藤克巳
マッキンレーのひろき裾原をりをりにふくろふが飛ぶ
草原の上 佐藤志満
たたかいを常に避け来し生き様をどんと晒せよ昼のふくろう
新川克之