天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ふくろう(4)

BBC地球伝説の放映画像から

 風貌が人に親しまれて「森の物知り博士」、「森の哲学者」などと呼ばれたり、獲物を襲う時の行動から、「森の忍者」と呼ばれたりする。俳句では、ふくろう、みみづく は冬の季語。


  夜の森にかそかに風の吹き来なりふくろふは眼をほそく
  あけたり               来嶋靖夫


  梟のいくたび来鳴く森ふかみ闇ふかみ父のいのち細りぬ
                     西村 尚
  月あかき晩はふくろふのよき影を落して木の間に青葉
  づくは啼くとふ            岩田 正


  ひとの魂抜くごとき声に梟の啼く夜となりてしきりねむたし
                     木俣 修
  いつしかにルドンの眼(まなこ)のぼりいて神宮の森に
  ふくろうのなく            加藤克巳


  マッキンレーのひろき裾原をりをりにふくろふが飛ぶ
  草原の上               佐藤志満
  たたかいを常に避け来し生き様をどんと晒せよ昼のふくろう
                     新川克之