くちばしは、鳥類の採食器官だが、他にも毛づくろい、捕食対象の殺害、求愛行為、雛に餌を与える、など様々な用途がある。くちばしの形はその鳥の生活と深い繋がりがあり、それによってくちばしの形も様々な適応を示す。したがって、くちばしの形は鳥毎の大きな特徴になっている。
餌を呑む一瞬空向く嘴の先より鴉は光をまとふ
草柳依子
キャンパスの枯れ芝に来て嘴太鴉(はしぶと)のわが屈託
をしんねり見つむ 島田修三
くちばしを羽根にをさむと哀楽のなき水禽(みづどり)の
瞳(め)は瞑りたり 上田三四二
まさびしきことなからむに羽毛ふかくくちばし埋めて鳥
のねむるよ 穴澤芳江
啼きながら天ゆくこゑは水草の香くちばしをいかにあけゐる
森岡貞香