鷹(1)
ワシタカ科の鳥のうち、中・小形の一群の総称。日本には、ノスリ、クマタカ、チュウヒ、オオタカ、ハイタカ、ハチクマ、サシバ、ハヤブサなどがいる。鷹狩に使うのはオオタカ。ハチクマやサシバは、秋に大群をなして南へ渡る。日本には約20種が生息している。
矢形尾(やかたを)の鷹を手に据ゑ三島野に猟(か)らぬ日まねく
月そ経にける 万葉集・大伴家持
万葉集に詠まれている長歌、短歌はすべて大伴家持のものである。
はし鷹の野守の鏡えてしがなおもひおもはずよそながら見む
新古今集・よみ人知らず
すたか渡るいらごが崎をうたがひてなほきにかくる山帰りかな
山家集・西行
この歌を本歌にした芭蕉の俳句が次のもの。
鷹一つ見付てうれしいらご崎 芭蕉
谷ごしに草とる鷹をめにかけて行く程おそき柴の下道
風雅集・藤原為兼