天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歯磨き

電動歯ブラシ(わが身辺から)

 歯磨きの歴史は古く、古代エジプト(BC1500頃)のパピルスに記録が残っているという。日本で歯磨き粉の歴史で分かっている最も古い時代は、応神天皇仁徳天皇の頃である3世紀の頃とされる。専門の記録としては、平安時代の現存最古の医学書「医心方」に、「朝夕歯を磨けば虫歯にならない」という記述がある。ただ古典和歌には詠まれていないようだ。虫歯の痛みに苦しんだはずなのに、雅ならざる事象だったからであろう。ただ、枕草子には、歯の病に苦しむ女の子の話がでている。


  歯みがき粉残り少なくなりをりて獄に病む身の朝はさびしき
                      島 秋人 
  歯刷子をくわえて聴けばリビングに春センバツの球音しきり
                      上野久雄
  男女とは一対にしてはるかなる時間差で置く白き歯ブラシ
                      大野道夫