雲雀(2)
日本以外にもアフリカ大陸北部、ユーラシア大陸、イギリスなどに分布する。草原や河原、農耕地などに生息する。植物食傾向の雑食性で、主に種子を食べるが昆虫なども食べる。繁殖期が始まると、オスは囀りながら高く上がって鳴き縄張りを主張する。「揚げ雲雀」と呼ばれ、古くから親しまれている。春の季語。
揚雲雀母校はいまも山を背に 藤岡筑邨
天に穴ありて落ちくる雲雀かな 野村喜舟
海風に声つまづきて夕雲雀 倉橋羊村
ひたむきに空のふかみになきのぼる雲雀をきけば生くる
ことかなし 前田夕暮
垣間(かいま)見しものにあれども脚あげて雲雀はあるく
菜の花畑 安永蕗子
空は本それをめくらんためにのみ雲雀もにがき心を通る
寺山修司
ひばりひばりぴらぴら鳴いてかけのぼる青空の段(きだ)
直(すぐ)立(た)つらしき 佐佐木幸綱
よぢれつつのぼる心のかたちかと見るまに消えし一羽の雲雀
藤井常世
さへづりの位置高まりてひばり今ひかりのシャワーの只
中にあり 高野公彦