天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

彫刻

家内の仏像彫刻から

 丸彫りと浮彫りがある。前者は、木・石・土・金属などで物の像を立体的に彫り刻むことであり、そうしてできたもの。後者は、材料に画・書・人物・動植物などを彫りこんだもの。


  大いなるロダンは手のみ彫りたれど生き生きとして全体
  を見す                 岡山 巌


  鑑真(がんじん)の彫像をめぐりつつ思ふ母の遠きを国の
  遠きを                鹿児島寿蔵


  木彫の伎楽の面は頬(ほ)の肥えてその獅子鼻も愛(かな)し
  かりける                木俣 修


  大き鼻空ざまにしてあぐらゐる伎楽の面は呵々とゑらげる
                      太田青丘
  剛き魂ひめておはすをまむかふは優しみ堂の西行の像
                     窪田章一郎
  こともなくわだつみ像が支え立つ忘れ置かれし旗竿一つ
                     清原日出夫