天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

靴(8)

ブーツ(メーカーのCM画像から)

 靴が象徴する事象は沢山ある。?豊饒、愛情 ?快楽 ?所有 ?卑下 ?靴を脱がされる=恥辱 ?認知 ?自由 ?権威・権力 ?旅 ?各種まじない ?各種民間伝承 等。古くは神話や民話に出てくる靴、また童話、詩、小説などでの描写により、靴に何を象徴させているかが決まる。


  しづかなる光湛(たた)へて咲く花を見むとおもひて靴
  履きてをり              岡井 隆


  愁いもつわれ夜の人 くらがりに追儺(ついな)の豆を
  靴にふみたり            岡部桂一郎


  靴ぬぎてひとりたたずむすすき野のむこうは祖国ふり
  むけば日本              李 正子


  埃ふくガードの下の靴みがき目あげて田舎ものわれを
  見透す               中城ふみ子


  ずぶずぶの泥水の靴履きて行く夢にふたり子置き忘れたり
                     松平盟子
  恋人に抱かれて空とぶシャガールの女よ その靴をください
                    喜多さかえ