天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

夏木立(1)

横浜市俣野別邸庭園に

 夏の青葉の生い茂った木立。落葉樹の青葉が似合う。「夏木立」は数本をさし、一本の木のときは「夏木」という。和歌にも俳句にも多く詠まれてきた。


     先づ頼む椎の木も有り夏木立        芭蕉
     木啄も庵は破らず夏木立          芭蕉
     動く葉もなくておそろし夏木立       蕪村
     いづこより礫(つぶて)うちけむ夏木立    蕪村
     塔ばかり見へて東寺は夏木立        一茶
     人声に蛭の降る也夏木立          一茶
     御本社につきあたりけり夏木立     正岡子規
     新宮の丹の美しき夏木立        遠藤梧逸
     町騒の中の湯島の夏木立        秋山花笠
     磨かれし馬匂ふなり夏木立      福田甲子雄