もとは天皇の乗り物を総称したものだが、のちに一般の祭礼において御神体や御霊代が乗る輿になった。おみこし。西行の歌の御輿長(みこしおさ)とは、付添人のリーダ。
御輿長(みこしおさ)の声先立てて下りますをとかしこまる
神の宮人 山家集・西行
夏まつり神輿のあとの児の群れの小さき素足の吾児にかも似る
金子薫園
山峡は青葉くらきに金色(こんじき)の御輿(みこし)ちひさく
通りすぎたり 植松寿樹
御輿舁(か)く白きころもの丁(よぼろ)たち藁(わら)靴(くつ)
はきぬいかがとどめむ 山川登美子
雨中ま白く肌よりあがる湯気をまとい揉む男たち揉まるる御輿
佐佐木幸綱