天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

御輿(1)

NHKテレビの映像から

 もとは天皇の乗り物を総称したものだが、のちに一般の祭礼において御神体や御霊代が乗る輿になった。おみこし。西行の歌の御輿長(みこしおさ)とは、付添人のリーダ。


  御輿長(みこしおさ)の声先立てて下りますをとかしこまる
  神の宮人             山家集西行


  夏まつり神輿のあとの児の群れの小さき素足の吾児にかも似る
                     金子薫園
  山峡は青葉くらきに金色(こんじき)の御輿(みこし)ちひさく
  通りすぎたり             植松寿樹


  御輿舁(か)く白きころもの丁(よぼろ)たち藁(わら)靴(くつ)
  はきぬいかがとどめむ        山川登美子


  雨中ま白く肌よりあがる湯気をまとい揉む男たち揉まるる御輿
                    佐佐木幸綱