天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

名月(1)

web上から

 9月21日のブログで「月見」をとり上げたが、9月28日の夜はスーパームーンを見ることができたので、あらためて名月を詠んだ歌をあつめてみた(先の「月見」と重複しないように)。
 陰暦8月15日と9月13日の夜の月を「二夜の月」というが、十三夜(後の月)のみをさす時もある。


  いつとても月みぬ秋はなきものをわきてこよひの珍しきかな
                 後撰集・藤原雅正
  天つ風雲ふきはらへなほ年にふたよの月は今宵ばかりぞ
                月詣和歌集・高松宮
  死なずやと我ひと共に思へるを見るや見難き仲秋名月
                     窪田空穂
  あかあかと十五夜の月街(まち)にありわつしよわつしよ
  といふ声もする
                     北原白秋
  名月や何の木もなき野阜(のづかさ)に二人と思ふ人あらはれぬ
                     太田水穂
  神田にて靄に上りし赤き月いま小金井の冴ゆる夜の月
                     柴生田稔
  息ぐもる夕べの窓やほのかにも望なる光(かげ)の訪(おとず)るるとき
                     高安国世


[注]右上の画像は、「写真共有サイトPHOTOHITO
    http://photohito.com/dictionary/%e6%ba%80%e6%9c%88/
   から借用した。