天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

コスモス(続1)

横浜市・俣野別邸庭園にて

(今までのブログで取り上げなかった作品を、今回と次回で紹介する。)原産地はメキシコ。アメリカ大陸を発見したコロンブスがメキシコからスペインに持ち帰ったところから世界に広まったという。日本へは明治時代の初期に渡来。花の色には、白、黄、橙、ピンク、赤など。コスモス はギリシャ語の「kosmos(秩序、調和、美)」からきている。


  脚あげて少女の投げし飛行機の高きコスモスの中に
  とどまる               相良 宏


  立枯れてコスモスの群のなほあれば花なりしものは
  種をたくはふ            初井しづ枝


  新しき品種のコスモス咲きいたりその色日本の秋に
  なじまず               赤座憲久


  こころよき澄明ならんコスモスは稚(いとけな)き子の
  手のひらに似て           道浦母都子


  ただ一本買いしコスモス冷たくて素直なるかな花の透明
                    道浦母都子
  四十代この先生きて何がある風に群れ咲くコスモスの花
                    道浦母都子
  コスモスよ溢れて咲くよ一人では死なせぬと今ふつふつ
  とする                大塚陽子


  コスモスのほそく群れさく陽のなかでこの世のふしぎな
  時間と言えり             永田 紅