酒の歌(7)
清酒の要件を満たしたものうち、原料や製法が一定の基準を満たすものを特定名称酒という。原料や精米歩合により、本醸造酒・純米酒・吟醸酒に分類される。
本醸造酒: 米、米こうじ、水、醸造アルコール を原料とし、
精米歩合が70%以下。
純米酒: 米、米こうじ、水 が原料。精米歩合を問わない。
吟醸酒: 米、米こうじ、水、醸造アルコール を原料とし、
精米歩合が60%以下。
(注)精米歩合の数値が低いほど、より高度に精米されている。
穴ごもる如きを恋ひて人は来る貧しければ悲しければ
酒あればはた 高安国世
特級酒白鶴あけて妻と飲む歳暮あれこれ値ぶみしながら
早川幾忠
小さなる悪の意識の盗み酒たのしみて昼のくちびる拭ふ
濱口忍翁
「祝酒」「想ひ出酒」に「二人酒」加へて寒夜のわが
盗み酒 宮脇瑞穂
酒の味恋うるとなけれほの甘き酒まんじゅうのふわりが
浮かぶ 武川忠一
腰かけて酒を待つ間のよろしさや牛蒡をけづる匂ひなど
もして 小見山輝
辛口の酒に添えたる氷頭(ひづ)なます寒夜なれども気分上々
久々湊盈子
吟醸の吟は詩歌を口ずさむ意にしてとろりそろりと酔えり
松平盟子