天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

三渓園・観梅

横浜三渓園にて

 久しぶりに横浜三渓園を訪ねた。梅の花が見ごろという新聞記事を見たからである。前回訪ねた時は、カーナビを頼りに自動車で出かけたのだが、ややこしい道をたどったために、えらく時間がかかってしまった。今回は電車にした。約600本ある白梅・紅梅などがあるのだが、もう盛りを過ぎていて、散り始めている木もあった。竜が地を這うような枝振りの「臥竜梅」、花弁の根元にある萼が緑色の「緑萼梅」などが見もの。2月13日から3月6日まで、観梅会。
 池には鴨たちの姿は少なかった。大半は北帰行で旅立ったのであろう。


     白梅の影のおぼろや茶筅
     白梅の下に佇む茶筅
     この年も白梅を見に茶筅
     白梅のかなた黒ずむ三重塔
     新郎が新婦みちびき梅の花
     宿木のみどり玉なす枯木かな
     うららかや束子供養の小天神
     街路樹の辛夷の並木ほこほこと


  鴨たちの姿少なき池の面に背鰭見せたる寒鯉のむれ
  池の端に役割終へて繋がれし春のうららの芦刈小舟
  天井に池の波紋のゆらめきて和菓子ふたつの春のお茶席
  三渓園お茶席あとにひと箱の人形焼をおみやげに買ふ
  三渓園みやげに買ひし人形焼パンの替りの朝食にする