天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

酸素

NHKテレビ番組「GIGA MYSTERY」から

 NHK番組「GIGA MYSTERY」を見て、地球に酸素が現れる歴史について知ることができた。地球誕生当初、大気中には遊離酸素ガスはほとんど存在しなかったが、27億年前からシアノバクテリアが岩の表面に張り付いたストロマトライトが酸素を作り始めたという。現在空中の酸素は、光合成によって水が光分解されることで生じ、海洋中の緑藻類やシアノバクテリアが地球大気中の酸素70%を、残りは陸上の植物が作り出している。宇宙では水素、ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占めているという。地球の地殻の元素では酸素の質量が最も多く47%を占める。電気陰性度が大きいため反応性に富み、他のほとんどの元素と酸化物などの化合物を作っているのである。


  飛べる機の気密破れて吸ふ酸素不足とならばわれら
  喘ぐべし              葛原妙子


  白文字の酸素ボンベは春の夜のなかばひらきし扉(と)
  のかげに見ゆ            岡井 隆


  ふかくふかく潜る鯨のしづかなり 酸素マスクに眠り
  ゐる人               熊岡悠子


  酸素濃き七月の森希ふこと叶ひてみどりしたたるからだ
                    長野菀子
  空に酸素吸入を海にリンゲル点滴を もう遅いかな
   まだ遅くない           田島定爾