駅(9/10)
鉄道草(てつどうぐさ)は、北アメリカ原産の雑草。日本名では「ヒメムカシヨモギ」。明治期に外国から渡来したので「明治草」「御一新草」とも言われた。今では日本中のいたるところ、特に鉄道沿いによく見られる。それでこの名がついたのだろう。荒んだ印象を与える草である。
運河悲し鉄道草の花盛り 川端茅舎
ヒメムカシヨモギの影が子の墓に 飯田龍太
真水まで遠いといって諦める立葵咲く駅のベンチで
吉野裕之
鉄道草しげる無人の駅におもふ戦中といふ見知らぬ時間
小島ゆかり
ポケットに青きリンゴをしのばせて母待つと早春の駅に
佇ちいつ 岸上大作
人いきれ激しき駅の構内は電光板に支配されをり
竹脇敬一郎
駅にむき幕垂れいたり日本初冠婚葬祭専門学校
大滝和子
駅名の韻(ひび)きぞ楽し「ひがしりんかん」「みなみ
りんかん」闇に遠のく 三國玲子