天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

ダ・ヴィンチ終焉のベッド(BS-TBSの映

 BS―TBS開局15周年特別企画「中井貴一のヨーロッパ大紀行〜天才ダ・ヴィンチからの挑戦状〜」を見た。第一夜(3月19日)は「ダヴィンチの素顔と真実」、第二夜(3月20日)は「名画モナ・リザの罠と正体」であった。モナ・リザについても最新の調査結果が分って大変面白かった。
 塚本邦雄は、ダ・ヴィンチと弟子の若者サライとの同性愛を詠んだ。


  水球(ウオーター・ポロ)の青年栗色に潜(くぐ)れり
   娶らざりしdaVinci          塚本邦雄


  傅(かしづき)し唇赤き少年を打ちしことありやレオナルド・
  ダ・ヴィンチ              葛原妙子


  大理石(マーブル)の碧きを踏みて至福なる旅びとわれはダ・
  ヴィンチに立つ              篠 弘


  すさまじき権謀の世に生きたりしダ・ヴィンチもまた
  ミケランジェロも            長澤一作


  ダビンチに描かれたなら精密な遊具であろうわたしのからだ
                      早川志織
  ダ・ヴィンチの髯さらさらと昏れる日を心にもちて歩きて
  ゆけり                 前川 緑


  恥らひてふくよかな乳ふふまする娘よダヴィンチも画きし
  母子像                池田まり子


  ダ=ヴィンチの今に残せる腑分けの図 春のキャベツは
  葉脈繊(ほそ)し             塩原早智



  母たりし日のモナリザの後ろには画かれてありし若き日の顔
  息絶ゆる際にダ・ヴィンチつぶやきぬ「わが為したるは
   なにほどのこと」