天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

飛行機(1/4)

NHK-BSプレミアムの映像から

 飛行機は、動力によって推力を得て前進するとともに固定翼によって揚力を得ることで飛行するものである。エンジンを用いて前進することで、その翼に対する空気の強い流れを作り、これにより飛行機の重さより大きな揚力を得ることで上昇する。水平飛行の時は飛行機の重さと揚力が釣り合っている。


  敵機にあらずか子らの尋(たづ)ぬる飛行機の我もしか
  思ふ敵機にあらずか          福田栄一


  飛行機のゆらめく太き胴体が立春の空に浄くかがやく
                     玉城 徹
  ジエツト機の金属音かすめわれがもし尖塔ならば折れた
  かも知れぬ              森岡貞香


  着陸のせつなしたたかに弾みたる機はみづからの影を追ひて
  走る                 葛原妙子


  天なるや無音気圏をゆけるときわが飛行機に火(ひ)竈(かま)
  の音する               葛原妙子


  微動なき機をかすめをり莫大の時間のかたまり 闇のかたまり
                     葛原妙子
  飛べる機の気密破れて吸ふ酸素不足とならばわれら喘ぐべし
                     葛原妙子