天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

津軽

NHKテレビ「新日本風土記」の映像から

 NHKテレビ「新日本風土記」を見た。津軽とは、現在の青森県西部を指して言う地域である。この地名は、『日本書紀』の斉明天皇の項から登場し、蝦夷の居住地が「津苅」「東日流」「津刈」「都加留」などと記されている。日本海側気候で、冬に雪が多い。特に山間部。竜飛崎は津軽半島の最北端、津軽海峡に突き出た岬である。石川さゆりのヒット曲「津軽海峡・冬景色」の歌詞(作詞:阿久悠)の一節に唄われていることでもよく知られている。


  波きるやおとのさやさや月白き津軽の迫門(せと)をわが
  船わたる               佐佐木信綱


  早生(はやなり)の津軽のりんごかたく酸(すゆ)し噛みて亡き
  吾娘(あこ)のごとしと思ふ        五島 茂


  津軽とはアイヌ語に云ふ「日の出る国の人」津軽さくら季
  乳色の朝               工藤まりゑ


  津軽の野に寒立馬(かんだちめ)一頭凛と立ち動ぜぬやよし
   眼(まなこ)澄みたる          加藤克巳


  にぎりしむひとすぢの糸も古りにけりわれは津軽の柵より
  出でず                 福井 緑


  竜飛崎白神岬のこもごもの点滅暗くかへる舟の音
                      千代国一