天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花狂い(5)

大岡川プロムナードにて

 神奈川県下の桜の名所をネットで調べたら、今までに行ったことのない場所として横浜市南区大岡川プロムナードがあった。晴れの日を選んでさっそく出かけた。市営地下鉄ブルーラインで蒔田駅に行き、そこから川沿いに弘明寺まで満開の桜を見ながら歩いた。大岡川は蒔田付近では、緑白色というか青白いというか澱んでいたが、弘明寺付近では、浅瀬でもあり水はさほど濁っていなかった。水量の多い場所では、カヌーに乗って花見をしている人達がいた。また浅瀬では、川に枝垂れる桜の下に鷺が佇んでいた。鷺も花見をしているような初めてみる光景であった。
 花見の終りに久しぶりに弘明寺に参拝した。


     川沿ひのさくらの道に屋台かな
     水流の黒き幹枝白き花
     花散るや大岡川にカヌー漕ぐ
     町川の鷺の背に散る桜かな
     見下ろせば鷺の見上ぐる桜かな


  吸ひ上ぐる水の幹枝黒くしてうすくれなゐの桜花咲く
  川沿ひの屋台に入りて焼きそばと罐ビール買ふさくら咲く道
  青白き川の流れの両岸に枝さし伸ぶる染井吉野
  蒔田から弘明寺までを川沿ひに花のさかりの桜見てゆく
  順番に身代はり地蔵をなでてゆく人それぞれの気になる箇所を
  神仏にすがるに間ある歳なれど身代地蔵に厄除大師