天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蘇芳

蘇芳色

 スオウは東南アジア、インドなどに生育する。わが国には古く中国から渡来した。マメ科の低木。枝にとげがあり、黄色の花が咲く。材質がかたいので、上代には弓に使われた。また赤色の染色用とされた。正倉院には薬物として保存され、また、これで染められた和紙もあり、蘇芳染の木箱も収蔵されている。
(注)似た名の種にハナズオウがあるが、同科同亜科ではあるもののマメ科の中で大きく離れており、近縁ではない。ハナズオウは春先に咲く花を鑑賞する目的で栽培される花木であり、染料は採らない。



  みんなみに蘇芳の花の咲くときにわが春日ははや闌けにけり
                     斎藤 史