2008年11月14日、2011年11月14日 の補足である。
地下茎が伸びて猛烈な勢いで広がるため、自生地では密生した群落になる。ただ現在の日本には適した環境が少なくなったため、絶滅危惧種となっている。生乾きの茎葉にクマリンの香りがあり、中国では古く芳香剤として利用された。
藤袴手折りたる香を身のほとり 加藤三七子
想ひごとふと声に出づ藤袴 永方裕子
秋深みたそがれどきの蘭(ふぢばかま)匂ふは名のる心地こそすれ
崇徳院『千載集』
藤ばかまあらしたちぬる色よりもくだけて物は我ぞかなしき
藤原俊成『続拾遺集』
藤袴沢鵯に間種ありやなしや知らぬ世界はここにも広し
土屋文明