白鳥の歌(3/9)
湖沼、浅瀬のある湾内で主に水草などを食べる。水面を脚と翼を使って長距離を助走して飛び立つ。編隊を組んで飛ぶ。餌付をされている所もある。新潟県の瓢湖では昭和29年に餌付けに成功した。毎年小白鳥を中心に多数の白鳥が飛来する。
福田栄一の二首はともに難解。一首目では上句が、二首目では下句が、いずれも抽象的・観念的で共感しにくい。
たましひになりてもかかる淋しさか水に流れて眠る白鳥
福田栄一
長くたへてゆくわがめまひ片耳のゴッホの如き白鳥を見て
福田栄一
白鳥は渡り鳥ゆゑつれなしよ春ふかみつつかへる日近づき
中村正爾
氷彫刻人に見らるる白鳥は長き首より溶けはじめたり
斎藤 史
傷つきてとどまる白鳥水にあり来む年の群を待つとにあらし
扇畑忠雄
朝鮮の山はるかなる海峡をわたる白鳥かがやきにけり
白石 昂
荘厳の夜の中よりうかび出で白鳥の数羽すべり来向ふ
玉城 徹
まなこより血を流しつつ白鳥が夕べの濠に頭(かうべ)めぐらす
玉城 徹
[注]右上の写真は、次の「水鳥達の写真」から借用した。
http://big-swan.com/category/%E7%99%BD%E9%B3%A5%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F/