天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紅葉の大山(相模)

大山寺の石段にて

 神奈川県の大山の紅葉について、昨年は失念して訪れなかったが、今年はテレビのニュースで見たこともあって、晴天の日を選んで出かけた。気象観測史上初めての十一月の積雪ということで、黄葉の木々が雪を被った。参道に沿う杉木立からは、雪解けの雫がしたたっていた。大山寺の石の階段にかぶさるように広がる紅葉は見事であった。


     黄葉の山の背後に雨降山(あぶりさん)
     ケーブルカー雪解け水が窓つたふ
     黄葉の木立の中をケーブルカー
     雪解けのしづくしたたる杉木立
     雪積める石燈籠に紅葉ちる
     どさと落つ大山寺の屋根の雪
     大山や湯どうふ猪なべ御師(おし)の宿


  災難をのがれし不動明王の眼下なだるる大山もみぢ
  両側に石の童子がならび立つ紅葉の下の険しき石段