天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

もみぢの湯河原―万葉公園

湯河原万葉公園の渓谷にて

 湯河原には今までに泊りがけで三度ほど行っている。今回は日帰りで紅葉を見に出かけた。JR湯河原駅から奥湯河原行きのバスに乗り、落合橋で下車、観光会館前の万葉の歌碑(「注1」参照)横の小さなトンネルを潜って、瀧のかかる小川沿いに上方に歩く。今回は、渓流上側の文学の小径を独歩の湯まで行く。ここでユーターンして与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑のところで渓流沿いの道を観光会館まで引き返した。
文学の小径に立札で紹介されている俳句、短歌、漢詩、詩や与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑、国木田独歩の碑、独歩の湯などの詳細は、すでにこのブログでご紹介済みである(「注2」参照)。これらを見比べると、12月初旬が紅葉の盛りになっているようだ。


     万葉の小道に入れば瀧しぶき
     激つ瀬にもみぢ散り込む朝日光
     足湯してもみぢながむる山の朝
     湯河原の出湯にいこふ紅葉かな


  霜月のもみぢ見に来し湯河原の渓流に沿ふ万葉小道
  文学の小道をゆけば句や歌の立札ありて見すごしがたき
  湯河原にあそびていのち養ひぬ明治大正昭和の文人
  谷間の大き桶よりあふれたる出湯のそばのお湯かけ地蔵
  万葉の歌に詠まれし木や草のそばに立札その歌しるす


[注1]万葉集に詠まれた湯河原
 巻十四の東歌の中の相聞歌に
  「あしがりのとひのかふちにいづるゆの よにもたよらにころが
   いはなくに」
 とあるが、この上句「足柄の土肥の河内に出づる湯」が湯河原のことだと、 
 佐々木信綱が考証した。


[注2]これまでにこのブログに載せた関係記事
   2007-02-17 湯河原と文人
   2007-02-18 湯河原と文人(続)

   2009-12-11 湯河原・万葉公園(1)
   2009-12-12 湯河原・万葉公園(2)

   2012-12-09 湯河原・万葉公園(1)
   2012-12-10 湯河原・万葉公園(2)
   2012-12-11 湯河原・万葉公園(3)

   2013-12-10 紅葉狩―湯河原―