星のうた(1/12)
星(ほし)の語源として、「ほ」は「火」で、「し」は「白」あるいは「ささ(細)」からなるという。日本の神話においては、太陽(日)や月は主役を演じるが、星は彦星・織姫の話くらいにしか現れない。ただ、『日本書紀』に天津甕星(あまつみかぼし)という神が登場するだけである。
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠(かく)る見ゆ
柿本人麻呂歌集『万葉集』
北山にたなびく雲の青雲の星さかり行き月をさかりて
持統天皇『万葉集』
静まりし夕星白しわが背子がい立たせりけむ厳橿(いつかし)が本
額田王『万葉集』
逢ひ見まくほしは数なくありながら人につきなみ惑ひこそすれ
紀有朋『古今集』
なお本シリーズでは取り上げないが、星祭りとも言う七夕祭りは、牽牛星(彦星)と織女星が年に一度、七月七日に天の川を渡って逢うことを赦されるという中国の伝説に基づく。この伝説は奈良時代に日本に広まった。関連する歌語に、星合の空、鵲の橋などがある。
[注]右上の画像は、web「天体写真の世界」
http://ryutao.main.jp/my_large.html
から借用・トリミングした。