天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

探梅―下曽我

紅白の梅(曽我梅林にて)

 天気予報で快晴の日を狙って曽我梅林にでかけた。まさに予報が的中し、青空の下、梅林のかなたに春雪の富士をのぞむことができた。ただはるか遠くの自衛隊富士演習場の砲撃音がとどろくのには、気が滅入った。以下、概略。
 JR国府津駅からタクシーで別所梅林入口まで行き、そこから下曽我駅方面に向ってあちらこちらの各種梅林を見て歩いた。わけても見事だったのは、別所梅林の紅白の枝垂れ梅であった。売店では、梅林から生産される梅干や地元産のミカン、八朔、漬物などが売られていた。原梅林では、流鏑馬の馬場作りが進んでいた。今回に限らないが、梅林に自家用車で乗りつける客が多く、ゆったりと歩けない。帰りの電車を待つ間、駅近くの「梅の里センター」に寄って、梅干がつくられるまでの過程をビデオで見た。藤沢まで戻ってきて、遅めの昼食として久々に鰻丼を食べた。


     梅林に身をのりだせり富士の峰
     滅々と演歌ひびかふ今朝の梅
     つきたての餅をくらはむ梅まつり
     丈高き紅白の梅しだれたる
     梅林の空晴れわたり富士白き
     砲撃の音のおどろや今朝の梅

     
  砲撃の音のとどろく朝に見る梅林越しの雪の富士山
  梅林の道の辺に立つ売店に土産にと買ふみかん、八朔
  春雪の富士をながむる梅林の野道につくる流鏑馬の馬場
  ひさびさに絶滅危惧種の鰻食ふわが晩年をのばさむとして
  トランプに世界の行方占へるタツノオトシゴ日本列島