天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

新春の里山(横浜市舞岡公園)

舞岡の山田にて

閑話休題
 例年春と秋に訪れる里山として横浜市舞岡公園がある。今回、朝方は晴れていたので、新春の里山の気配を感じるべく出向いたのだが、途中で雲が出て風が強くなってきた。手袋をしていないので、ポケットから出した手が冷たくなった。
 地下鉄舞岡駅から、徒歩で舞岡八幡宮、虹の家、瓜久保の家、小谷戸の里、ばらの丸の丘、もみじ休憩所、京急ニュータウン・バス停 とたどった。水田の周辺にはバードウォッチャーたちがカメラを構えて目当ての鳥の出現を待っていた。カワセミは珍しくないが、タシギはこの時期に撮りたい鳥であろう。水田には薄氷が張っていた。田打ちの済んだ田はまだ数枚で、おおかたはこれからのようだ。花といえるものは一本の蝋梅が畦道に咲いているくらいで、まことに殺風景。桜の季節が待たれる。


     里山春の嵐や木々騒ぐ
     松過ぎて今日定休日古民家は
     土隆々田打終へたる山田かな
     大いなる藁塚残す山田かな
     藁塚や谷戸のたんぼのあるじ顔


  空をくる春の嵐里山クヌギ、コナラの林が騒ぐ
  氷張る水田の畔にたむろしてカメラかまへるバードウオッチャー
  情報を交換し合ふ里山のバードウオッチング老人のむれ
  楽しみはカメラ携へ里山の畦道をゆく小鳥探して
  珍しき小鳥見つけて写真撮る老いの楽しみ里山にあり
  雲を追ひ森を鳴らして駆けきたり木の芽うながす春の嵐