天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

現代歌枕の発掘(8/8)

『岩波現代短歌辞典』

最近のインターネットでは、Google Earth により、地球上のあらゆる場所にジャンプして、衛星画像、地図、地形、3D の建物を表示できるようになっている。映画やテレビの映像のように一方的に与えられるのではなく、使用者が自分で視点を設定し、三次元の地形をズームしたり様々の角度から眺めることができる。こうした環境を素早く短歌に取り入れたのも、小池光であった。バーチャルな旅行詠をつくるということで、このソフトを使って関心のある場所を訪れ、その感覚を詠んだ。『山鳩集』の中の「Google Earth」二十三首から三首を次に引く。
 アルバニア、ドゥラスのみなとに入らむとし右回りに海が大渦を巻く
 仮想旅人われはおもはずキリマンジャロの山頂に豹の死体を探す
 これこそはまさに寧辺(ニヨンビヨン)核施設 冷却塔の影おちてゐる


なお、歌枕については、『岩波現代短歌辞典』に小池光の過不足ない見事な解説がある。