天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

きさらぎの富士

 閑話休題
 一月末のテレビ報道では、新型コロナウィルスの世界的な蔓延の兆候で大騒ぎ。ピークは四月頃ではないかというが、不安極まりない。
 二月一日の朝、散歩に行こうと玄関を開けてびっくりした。林の合い間に大きく白い山容が見えたのである。まさか富士山かと外に出て違う角度から眺めるとやはり富士山であった。山頂付近に雲がかかっていたのが少し残念であったが、まことに目出度い光景であった。右手には山頂にまだらに雪を乗せた丹沢の山も見えた。公園を散歩しつつ何度も眺めた。ただ見慣れてくるといつもの大きさになってしまった。

     松過ぎて新型コロナウィルス出づ
     玄関をあけて驚く春の富士

  例年のインフルエンザにかぶさり来新型コロナウィルスの恐怖
  思はずもわが目うたがふ玄関のまなかひに大き雪の富士見ゆ
  頂上の雪を隠せる雲あれど富士あたらしき二月一日
  きさらぎの富士に向かひて祈願せり新型コロナウィルスの排除

f:id:amanokakeru:20200202072039j:plain

俣野別邸庭園から見た春の富士