天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

「奥の細道」の朗読を聞く

 閑話休題
NHK・BS3で2月12日に「英雄たちの選択 徹底解剖 奥の細道」を見た。磯田道史嵐山光三郎長谷川櫂、佐藤勝明、杉浦友紀(アナウンサー)というメンバーであった。芭蕉研究の専門家を集めての「奥の細道」談義であったが、大方は知っている事柄であり、特に印象に残ったわけではないが、改めて「奥の細道」を読んでみたくなった。しかも朗読を聞きながら目で文章を追ってみたくなった。WEBで朗読版を探したら、見つかった。左大臣光永の https://hosomichi.roudokus.com/ である。  あらためて「奥の細道」のすばらしさ、すなわち紀行文としてのリアリティ、リズミカルな文章運び、人生観など、総じて芭蕉の人格と能力に感動した。51歳の短い生涯ながら、悟りの境地に達していたようで、誠に頭が下がる。人との接し方にしても、「那須」で馬を借りて返す場面、「尿前の関」での若者との交流、「市振」での遊女たちとの出会いと別れ、「等栽」での旧知との交流 等々 フィクションがあるといえど心に沁みるばかりである。
 かつて芭蕉にゆかりの地として、伊賀上野芭蕉生家、深川の芭蕉庵、近江の義仲寺、幻住庵、京都の落柿舎、「奥の細道」関係では千住、殺生石、遊行柳、白河の関、壺の碑、末の松山、松島、平泉、立石寺、大垣 などは訪ねたことがあるが、「奥の細道」全ルートを踏破するまでには至っていない。もはや無理だろう。

 

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奥の細道行 (WEBから)