天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

この世のこと(15/16)

  人の世の思ひにかなふ物ならばわが身は君におくれましやは

                   後撰集藤原定方(三条右大臣)

  暮れぬまの身をば思はで人の世のあはれを知るぞかつははかなき

                   新古今集紫式部

*「今日の暮れない間の命で、明日の事が分からない我が身は思わないで、はかない人の世の哀れさを知るというのは、一方で、またはかない事です。」

 

  人の世の掟は人ぞつくりたる君を思はむ我がさまたげに

                       片山広子

  人の世のかなしみごとのあらはれて街くれば黒枠のこの道しるべ

                      上田三四二

*道しるべ: 道路の分岐点にあって,それぞれの道が進む方向・目的地・距離などを記し,旅行者の便に供したもの。道標の字を当てる。

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道しるべ