剣大刀(続き)
剣もて人をきる身のはてやただしでの山路の杣木ならまし
心敬
*しでの山路: 死出の山の険しい山路。 杣木: 燃料などにする雑木、たきぎ。
「剣で人を切る人間の行く果ては、ただ死出の山の険しい山路にある薪であってほしい。」
緋(ひ)威(をどし)の鎧を着けて太刀佩きて見ばやとぞ思ふ山ざくら花
落合直文
韓山(からやま)に、秋かぜ立つや、太刀なでて、われ思ふこと、無きにしもあらず
与謝野鉄幹
*鉄幹のいわゆる「虎剣調」の慷慨歌である。
軍衣袴(ぐんいこ)も銃(つつ)も剣も差上げて暁(あかつき)渉る河の名を知らず
宮 柊二
「神の剣」のごとくにぞ夏の雲光りめぐり来たれる八月十五日
前田 透