天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

火山、温泉(1/4)

 火山とは、地下のマグマが地表に噴出するために生じた地形や構造をさす。噴出するマグマの種類や性質により,火山の形態や構造が変化する。火山の近辺には、地熱で温められた地下水が湧出する温泉(出湯)がある。

 

  寂しければ首さしのべてわれの見る火山の島は濡れてゐにけり

                         福田栄一

  火の山に夕日なほあり目の前のかうほねの花暗くなりつも

                         川田 順

*かうほね: コウホネ(河骨)。スイレン科の植物で、水生の多年生草本。浅い池や沼に自生し、夏に黄色い花を咲かせる。

 

  遠き火山に日あたりおればわが椅子にひっそりとわが父性覚めいき

                         寺山修司

  ぬれやすき頬を火山の霧はしりあこがれ遂げず来し真夏の死

                         寺山修司

  火山岩あらはにとがる寒の崖弾かるるごとく鴉とびたつ

                         木俣 修

  亡命のごとひとりなり樹(じゆ)骸(がい)枝(し)の手がたに垂れし火山帯きて

                        生方たつゑ

*樹骸枝とは聞きなれない言葉で、WEBの辞書にでていないようだが、文字通り解釈するなら、枯木か朽木の枝をさすのであろう。

f:id:amanokakeru:20210203065507j:plain

桜島