天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

姉、妹を詠む(7/7)

  妹が濡れざふきんに拭きあげる父の墓石 その背のあたり

                     工藤こずゑ

  死者が歳をとることがあるか成人した妹が夢にわれを打ちたり

                      真中朋久

  麻の葉に雨降る姉とおもうとの遠世がたりに朝の雨降る

                     馬場あき子

馬場あき子の短歌に金守世士夫の木版画を添えた『遠世がたり』(昭和64文化出版局 )という本がある。

 

  歯磨きに夢中の姉妹の顔の上ぬっと顔だす父さんだ俺は

                      小塩卓哉

 

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歯磨き