天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

男を詠む(4/4)

  まぎれなき冬の夜の風くだり来(き)ぬ酔うてさみしき男となるな

                         紺野寿美

  男はもかなしからずや犯されて泣くよろこびは持たず生きゆく

                         香川 進

*女性は「犯されて泣くよろこび」をもっているとの考え方のようだ。

現代では公然といえる内容ではないだろう。

 

  風を読む一人の男忽忙(そそくさ)と立去りてより枯野晴れたり

                         筑波杏明

  男とは夏の緊張 直行の意志そのものの青茎の葦

                        道浦母都子

*男の性格の比喩表現。直感的に分かりやすい。

 

  をのこなるからだの仕組みに作られきその偶然より生き始めにき

                      浜田蝶二郎

 

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枯野