天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

わが歌集からー酒類(3/4)

  コップ酒大吟醸を傾けて妻と見てゐる空爆映像

  烏賊ちやんちや焼きと長茄子漬に酌む麒麟麦酒一番搾り

  初穂料百円を捧げ一盃を口にふふみぬ大山の酒

  内宮を出でておはらい町をゆく造り酒屋のあれば聞き酒

  白秋と夕暮が来て酒飲みし八景原に大根育つ

  東京の地酒も売れる陶器市に信楽焼きのぐひ呑みを買ふ

  長雨にけだるき身体もてあまし今宵また呑む芋焼酎

  湯の後の汗ををさめむひや酒は地元で造る「うつぷんばらし」

  麦酒一本熱燗一合呑みて酔ふ五浦の宿に熟睡したり

  「幻の瀧」とふ冷酒ひとり呑む肴はめざし、げそのピリ辛

  アドルムと焼酎により不帰の人左手首の傷浅けれど

*アドルム: 催眠鎮静薬。

 

  あたたかき甘酒すする山頂はもみぢ散り敷き年を逝かしむ

  よもぎそば甘酒を待つしまらくを池に映れるもみぢ愛でたり

  「晩春」とふ古き映画を見つつ酌(く)む芋焼酎は妻の買ひ置き

  下山して湯に入る後の贅沢はこんにやく豆腐きやらぶきに酌む

  氷片を詰めたグラスに泡盛の古酒をみたせり 牛(ぎう)のしぐれ煮

  氷片を詰めしグラスにバーボンを満たして飲めば猛暑日は去る

  神前に供へられたる神酒赤飯人に分かつを中入(なかいり)といふ 

  わが身には醸造酒より蒸留酒日本酒よりもウヰスキーが合ふ

  近年の打撃不振の要因をさまざまに言ふ夜の居酒屋

 

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幻の瀧